相続した農地を、どうやって活用したらよいのか


自分はもう農業をしていないにもかかわらず、農地を相続することがあります。
農地を単純に売ることもできません。
農地は、原則的に農業にしか使えません。
その場合、どうやってこの農地を活用したらよいでしょうか?

農地をどうやって売るのか

農地を売りたい場合、単純に売ればよいわけではなく、農業委員会の許可が必要になります。
農業委員会の許可なしで農地を売ったら、法律違反となり無効となります。
農地の賃貸でも、同様の扱いとなります。
ただ、農地の種類がいくつかあり、その種類により、許可の受けやすさが異なってきます。
1.農用地区域内農地
これは、まとまった農地であり、今後長期にわたり農業の利用で使用すべき土地として保護していく対象として、都道府県知事が指定します。
原則として農地転用はできません。
農業信用地域除外申請という申請ができる場合がありますが、申出から容認までおおむね1年程度の年月を要します。
2.甲種農地
これは、市街化調整区域内に20ha以上の広さを持つ農業公共投資後8年以内の優良農地のことを指します。
この甲種農地も、原則として宅地転用はできないこととなっています。
3.乙種農地とは、市街化調整区域内の農地で、3種類に区分されています。
A.第1種農地 土地改良事業等の対象となった10ha以上ある一団の農地で、多くの補助金を使って整備されています。
B.第2種農地 市街地として将来的に発展する可能性の高い地域にある農地
C.第3種農地 300m以内に鉄道の駅がある地域にある農地
第1より第2、第2より第3種農地のほうが、農地転用許可申請は容易になります。

農地の有効活用の方法について

使わない農地を農地として活用する方法をいくつか紹介します。
1.他の農家に売る
農地を他の農家に売る場合、農業委員会またはその土地のある都道府県の知事から、売買の許可を得る必要があります。
具体的には、農地転用の3条申請をすることになります。
売却先は、現在農業に従事しているか、これから農業を行う人に限定されます。
2.他の農家に貸す
これも、貸せる相手は他の農家ということになります。
また、農業委員会またはその土地のある都道府県の知事の許可が必要となります。
具体的には、農地転用の3条申請をすることになります。
農業委員会から許可を受け、その後賃貸借契約もしくは使用賃貸契約を借りたいという農家と直接結ぶことで、契約は成立します。
3.農地中間管理機構を利用する
これは、農地バンクや農地集積バンクとも呼ばれます。
使われることのなくなった農地を借り受け、整備・再生を行い、農家へ貸し出す公的機関であり、各都道府県にひとつずつ設置されています。
個人所有の農地や耕作放棄地を借り受け、その農地を、農業法人、企業、大規模農家などへ貸し出します。
4.市民農園とする
市民農園として使わない農地を貸し出すという方法もあります。
使わない農地を市民へ貸す方法と、農業作業体験として利用してもらうという方法があります。
農業作業体験として利用してもらう場合、下記の3つの方法があります。
A.特定農地貸付法による方法 市民に農地を貸し、その賃料を受け取るという方法になり、農業委員会の承認が必要になります。
B.農園利用方式による方法 入園料を受け取り、利用する市民に農作業の体験をしてもらう市民農園です。
営利を目的としないこと、継続して農作業を行うなどの条件があります。
C.市民農園整備促進法による方法 農園として農地を貸し出すこともでき、農業体験型として農業経営を行いながら一般市民の方への開放を行うもできます。
トイレや駐車場、休憩所の配備、農機具倉庫の設置などの付帯設備を整え、賃料や入園料を高く設定することが可能になります。
開設できる場所は、市街化区域の場合はよいですが、市街化調整区域内の場合は、市町村から認定を受ける手続きを行わなければなりません。
その手続きが、農業委員会の承認を得たものとして取り扱われる、というわけです。

農地以外の活用について

農地を農地以外にするには、農地転用の手続きをしなければなりません。
その農地を本人が農地以外にする場合は、農地転用の4条申請、権利移動と農地以外にするのを合わせるのは、5条申請になります。
その申請のためには、明確な理由と具体的な目的、つまり具体的な事業計画が必要になります。
その農地転用の手続きは、確かに労力と時間が必要になりますが、行政書士が申請代理を行うことができますので、依頼することができます。
一度農地転用の許可を得てしまえば、農地でなくなるので、利用の制限がなくなり、自由な土地として生まれ変わります。
そうなると、自由に土地の売買や賃貸を行うことができるようになります。

相続した農地をどうやって活用するかについても、お困りの場合は、当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。
小舘行政書士事務所 tokaihorei@nifty.com