分譲マンションの空き家をどうしたらよいか


都市部を中心に、本格的に分譲マンションが建つようになって、もう50年以上経過しました。
京都でも、古い町家をつぶして新築マンションが建つのは珍しくないことになりました。
しかし、マンションが増えたということも関係しているのか、それとも人口減少という問題かで、マンションが売りにくくなっているようです。
それで、居住者が減って老朽化してスラム化してしまう分譲マンションも出るようになりました。
リゾート地、たとえば滋賀県の琵琶湖畔などでは、きわめて安いマンションが売りに出されています。
なかなか売れないと見えて、かなり安くなっていますが、買い手がなかなか見当たらないようです。
そういうことで、空き家となった分譲マンションを所有している場合には、長い間放置せず、できるだけ早く、何らかの対策を取ることが必要となります。

分譲マンションの空き家の特徴

分譲マンションは構造が丈夫です。
それで、自然に倒壊することはほぼありません。
しかし、マンション内部では朽ちていきます。
気が付いたときには、手の施しようもない、修繕に多額の費用が掛かる、ということになります。
さらに、きちんと修繕積立金や管理費を払ってきた所有者に、多額の負担を負わせてしまう、ということもありえます。
そして、解体時には億単位の金がかかる場合も多く、この解体費を誰がどれだけ負担するか、という問題も生じてしまいます。

なぜ分譲マンションの空き家が増えていくのか

分譲マンションは、50年以上にわたり、おもに都市部で大量に分譲されてきました。
一方、日本の人口は毎年30万人以上、減少を続けています。
つまり、分譲マンションの空き家が増えていく根本原因は、住宅の過剰供給であると言えます。
それで、新築マンションに住み替えることによって、古いマンションには人が住まなくなる、ということになります。
また現在の住宅総数が総世帯数を大きく上回っているのに、それでもまだタワーマンションや、都心マンションの建築があり、新規供給戸数が増加しています。
京阪神でも多くの新築マンションの分譲があります。
それに伴い、分譲マンションの空き家が増えていきます。
さて、日本人は、新築志向があると言われています。
そして、国もこれまで、新築住宅の取得を促進する政策として、住宅ローンの控除や税制優遇などを促進してきました。
それで空き家をこれ以上増やさないためには、一戸建てもマンションも、政策を中古住宅流通の促進の方向にしていくことが欠かせないと言えます。
さらに言えば、新築住宅の総量規制をする、ということになります

タワーマンションの問題について

周辺部から電車に乗って大阪都心に出てくると、高いビルがあり高いマンションがあって、思わず上を見上げてしまいます。
そして大阪郊外や神戸市内でも、タワーマンションが目立つようになりました。
タワーマンションに法的な定義づけはないようですが、一般的には高さ60m以上か、20階以上のマンションを超高層マンションと呼んでおり、それが目安となります。
日本で最初のタワーマンションは、1976年に埼玉県で建設され、それ以来続々と建設されてきた、というわけです。
特に1997年に、建築基準法・都市計画法が改正されまして、容積率の制限緩和がなされましたので、都市部や再開発予定地に多くのタワーマンションが建設されるようになりました。
特に上層階は、通常のマンションでは得られない眺望があり、共用施設が充実していて、資産価値が高いとして、一部の富裕層や海外投資家の投資対象にもなっています。
しかし、問題点もあります。
2017年にUKロンドンのタワーマンションで大規模火災がありましたが、日本でも同様の問題はありえます。
火災が発生した時、どう消火するか、どのように避難するのかという問題が発生します。
さらに、充実した共用施設の関係で、高額な管理費が発生します。
そして、長期修繕計画が甘く、修繕積立金の途中大幅値上がりもありえます。
区分所有者の中には、所得の異なる人や外国人投資家など、通常のマンション以上に様々なタイプの人がいます。
それで、管理費や修繕積立金の滞納や、修繕計画を巡る住民同士の対立が発生する可能性が非常に高いです。
このようなトラブルが頻繁に発生すれば、嫌気がさして転居する人も増えますので、空室が増えることになります。
そして将来建て替えの時期には、区分所有者の合意形成は困難を極めるはずです。
マンションにも寿命があり、最後は解体することとなります。
その解体費用を修繕積立金に上乗せしておくなどの対策が必要になると思われます。

マンション空き家をどうしたらいいか

人口が、地方や田舎から、都会の便利な地域に集中するようになっています。
それに伴い、マンション形式の住居を持つようにもなっています。
しかし、人口総数は減っており、一方老朽マンションも増加しているため、マンション空き家も増えています。
古いマンションは旧耐震基準で建てられていますが、耐震補強工事をするにしても、区分所有者の決議が必要なために、思うように進んでいないのが現状です。
こういう物件では、古くなるにつれて空き家化、スラム化が進んで行くことになります。
今のままの人口減少が続くと、2033年には、マンションも含め、すべての住宅の1/3が空き家になるという予想もあります。
そうなったら、中古マンションもなかなか売れないという事態になります。
また、老朽マンションを解体しようとしても、構造的に頑丈なマンションは、一戸建て住宅のように行政が強制的に解体させることはできません。
解体費用が出なければ、最終的には公費を使って解体することにもなりかねません。
老朽化したマンションは、建て替えにも解体にも、たくさんの困難が生じます。
それで、できるだけ早いうちに中古マンションの活用方法を考えていくことが必要になります。
さて、便利な立地ですと、賃貸にしても売却にしても、活用はなんとかできるのですが、郊外になりますと、賃貸は困難になっていきます。
それでも、値段を下げると売却できるということはできます。
現に郊外の老朽マンションで、100万円台、200万円台で売却されている事例があります。
これは、賃貸にしても同様で、思い切りリフォームして貸すか、または最低限のリフォームで安値で貸すということはできます。
しかし、安値で貸してしまった場合、入居者の質の低下という懸念もあります。
現在、家の価値は9割立地とも言われる時代であり、そのマンションの立地条件を慎重に検討して決定していくことが大事かと思います。

マンションの空き家に関する諸問題についても、お困りの場合は、当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。
小舘行政書士事務所 tokaihorei@nifty.com